003.映画のにおい

新作11首
海野いづれ 2022.06.04
誰でも

こんにちは〜髪を切ったり夏バテたりしながら過ごしています。

髪を切ったらかなり気分転換になるからみんなに散髪をおすすめしようかな。

実家に帰ると車の運転をするんだけど、地元は田んぼのある田舎なのでなんでもいる。なんでもいる田舎でこの間たぬきを轢きかけてトラウマに…こうやってトラウマを抱えた人間が増えるんだ…と思った。

(しかもその日のうちにもう一匹たぬきに遭遇しました。のろい?)

こういうときあと5分遅く家を出ていたら遭遇しなかったのかも、と思うとかなりおもしろい。まったくおもしろくない。

でかい川を大きい橋の上から見ている夢を見た。普段あんまり写真を撮らないけれど夢のなかのわたしは川の写真を撮っていて不思議だったな。

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川のように未来がきっと分かれだすその河口にいるのはわたしだけ

花の咲く道なのにそうじゃないような顔で歩いていく人の顔

風のつよいなかで水平線見えている

水の中に刺さったナイフ曲がったりくねったりしていてやわらかい

とてもおしゃれな名前のお菓子をもらいつつ会えないままのわたしであること

ふたりで歩く道のさきにも道なのと14時の風のなか思った

大丈夫にあなたはなって悠久の丘をたやすく駆け出すところ

会いたさがガラスの向こう側にいる

遠くの人と遠くの人が知り合ってあなたに恋人がうまれそう

夢で会う人はだれでもやさしくて大きい川のその分の橋

かなしみに名前があるということのかなしさひとつだけだきしめる

分け合う前のわたしのままで会うことはもうできないという正確さ

クリスマスの映画でクリスマスのにおい でもそうしたいから笑ったの

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ストレスにより体重&にきびの増加が凄まじいので、うみのがきれいになった頃に会いましょう……

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