004.エビフライと海老天

7首連作
海野いづれ 2022.11.06
誰でも

こんにちは

連作のお題をくれた人ありがとうございました。取り掛かったのはいいものの、気づいたら夏が終わってしまいました。

夏に詠んだ連作だからはやく出さないとと思っていたのに…

今年の夏は人の誕生日をこっそり祝うために初めて花屋で花を買いました。外に咲いているものが部屋にある、という点だけで花がこわかった。わたしは部屋の花だけこわいので当てはまるかはわからないけれど、花恐怖症なるものもあるらしい。

(わかりやすく言うと部屋に虫がいるときと似た感情になってしまうんだけど、そんなことって…)

忘れないために夏に些細なことをメモしていたけれど、読み返すと夜ご飯にアイスを食べてばかりいるとか、エビフライと海老天は別物だよね?とか、傘をちゃんと持って出た日に限って雨が降らない、とかだった。

些細なことは忘れてしまうけど、それにしても些細なことすぎる。


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7首連作「夜景」

こんなに夜がすごく明るくやってきて意外と朝みたいと思えた

選択肢がいつも誰かの横顔を見ているときのその深い息

夜の液晶画面はまぶしい あなたからとにかくなにか教わりたくて

海に船の絵を窓越しに見ていたらそうだから会えなくなった人

フルーツ色の花もありつつ丁寧に歩いていけば丁寧な道

内臓の向こう さっきまで雨だとわかる地面の色も空気も

ひかりすぎる月は意外と見えなくてどうしたってよかったんだけどね

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「彼らが本気で編むときは、」

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